梅雨の晴れ間の越後路。(只見線と上越線撮影)

 只見線の新潟側に出かけてきました。

 新潟側は復旧後もものすごく冷遇され、日中の列車が1往復運休という状態が半年以上続きました。しかも、峠はいまだ通行止め。いくらなんでも、日中の一番いい時間に列車が来ないというのは、いくら新潟側が気になると言っても、足が遠のきます。なので、新潟側を訪れるのはほぼ1年半ぶりとなります。

 時刻表を見て気がついたのですが、なんと朝一番の小出始発がなくなっています。(;・∀・) しかし、大白川に列車を一晩止めておくはずがない。そう思って朝の回送から撮影することにしました。とは言ったものの、途中で寝てしまい、到着はまたしてもギリギリ・・・。藪神駅を過ぎたあたりで、列車に追いつきました。

 今回は今までなかなか撮影しなかった場所をあえて撮影してみようと思っていました。こういうのを「落穂拾い」って言うんだっけ? あとは、峠が撮影出来ないぶん、出来れば新しい撮影場所も開拓できればいいなぁ、なんて考えていました。

 なので、まずは大白川へダッシュ。今まで大白川手前で撮影したことがほとんどなかったので、あえてここで撮影してみようかと。大白川駅手前には、6時5分前ぐらいに到着。手早く準備を始めたのですが・・・、はやっ、もう来た!! 回送列車なので、とても早いんですね。しまった、一本ミスった。

 気を取り直して、次の撮影に備えることにします。じきに折り返しの列車が発車するのはわかっているので、あえてオーバークロスの場所から定番のアングルで撮影することにしました。このアングル、実は今回初めて撮影します。いつでも撮れると思うと、なかなか撮らないんですよね。それで無理していい場所が見つからずにミスったり、今まで随分もったいないことをしてきたと思います。一枚一枚を大切に撮るってものすごく大切なことだと思います。同じアングルでも、その日その日で状況が違うので、引き出しを増やしておくことが重要なのです。別にどうってことない一枚だけど、そんな気持ちでシャッターを切りました。

 そうそう、この4月から、新潟側では、新潟色のキハ47と仙台色のキハ40がセットで走っています。新潟色が小出側を向いて走っています。これだって、現地に行って状況を確認しないとわからない状況ですよね。あと、新潟色のキハには、「大白川-小出」のサボが復活しています。ちょっと嬉しい。もちろん、一日も早く只見まで復旧してほしい気持ちは微塵も変わりませんけどね。

 次の列車は8時過ぎだ。ちょっと時間があるけど、あまり動きまわらないことにしよう。大白川手前のカーブで山を大きく入れて、山深い感じで撮影してみよう。

 またしても国道沿いで三脚を構える。しかし、峠が通行止めのせいか車を止めていても全然車が通らない。邪魔にならないのはいいけど、なんだかちょっとさみしいぞ。山にはちょっと雲がかかっていて、良い感じ。列車を手前に入れて、今回も定番カット。あまり面白みは無いけど、秋はこのあたりまでくるとようやく紅葉が綺麗になるので、今年の秋のネタに使えるかな。

 10時過ぎまで列車がないので、柿ノ木あたりで撮影場所の捜索を行います。以前から地図で目星をつけていた場所にいってみることにします。崖の上に出られれば、良い感じで俯瞰できそうなんだけど・・・、と思い、車を止めて山の中に突撃します。

 結論から言っちゃうと、ここはダメでした。道が大きな沼に寸断されているような形で、どうしても思った場所に出られません。林道、というか、獣道のような道が上の方まで続いていたので、そこも登ってみたのですが、やっぱり視界がひらけません。1時間ほど捜索を続けましたが、残念でした。

 さて、10時台の列車はどこで撮影しようか・・・。あじさいや立葵、花菖蒲を捜索します。今年はどうやらあじさいが不作。まだ咲く前の花が枯れ始めているような状態でした。花菖蒲はどうかな? ちょっと時期的に遅いような気もするけど・・・。お、まだ咲いてた。

 上条駅のそばの群生地に、まだ残ってました。うまく撮れば行けそうだ。フレーミングを工夫すべく試行錯誤。そのとき、手に鋭い痛みが。見ると肘のあたりに血が滴っています。はっ、蚋だ!!

 この場所は以前撮影したときは、蚋はいなかったんだけど、今年はすごいのなんの。もう、ほんの2,3分で10箇所以上やられました。こ、これはたまらん!!

 とても待機出来ず、退避することに。その時、祠のそばに良い感じの花菖蒲が目に止まりました。捜索に向かいます。

 う~む、ちょっとむずかしい・・・。ちょっと線路から離れすぎなんだよね・・・。と思ったその時、お地蔵さまが並んでいるのを発見。これいいかも。

 とりあえずネタとしてキープしつつ、小出方面に捜索に向かいます。しかし、いつも思うんだけど、梅雨の晴れ間ってネタに困るよね。雲も出ない、山もぼんやり、花も咲いてないじゃ、面白みのかけらもない。捜索時間はタイムアウトに。結局さっきの場所に戻ります。

 お地蔵さんは良かった。田んぼの畦道も良い感じで、フレーミング次第でいろんな撮り方ができそうな場所でした。また季節を変えて来てみたいところです。

 このあとは、午後まで列車が来ません。とりあえず、入広瀬あたりで撮影場所の捜索を行います。国道の反対側の道を柿ノ木方面に進んでみます。あじさいを発見したものの、やっぱりここも不作。これから咲く蕾と枯れた花が混在していて、どうにも被写体になりません。俯瞰ポイントから望む山もほとんど見えない状態。どうにもなりません。とりあえず、大白川駅のそばでお昼ごはんにして、すこし休憩だ。

 大白川駅のお蕎麦屋さんは、思いのほか繁盛していた。道路が通行止めなのにもかかわらず、お客さんが結構来ていてちょっと安心した。只見線も、大井川鉄道みたいに、もっとこういう観光資源をフル活用して、観光鉄道として再生できないものだろうか。国鉄型のキハだって、りっぱな観光資源だし、客車列車を走らせたりしたら、もっとお客さんが呼べそうだと思うんだけど、どうなんでしょ?

 さて、午後の部です。今回のテーマは落穂ひろい。というわけで、昔一度撮影して以来、撮影していなかった、入広瀬と柿ノ木の間の鉄橋に向かいます。ここに至るまでの道はところどころがけ崩れで一方通行になっていました。この間の豪雨災害の爪あとが未だに見られます。ここの鉄橋の沢にもがけ崩れのあとがありました。撮影自体は撮影しただけという感じですが、みょうにここに鉄道が走っていることに感謝するような気持ちになってしまいました。

 そういえば、ちょっと悲しい出来事がありました。次の列車まで結構時間があるので、お気に入りの柿の木の様子を見に行ってみると、柿の木は跡形もなく・・・。絶句。ここは何度でも再チャレンジして、絶対モノにしたいと思っていたポイントだったのですが、とうとう伝説の柿の木になってしまいました。また、一から探し直しだな・・・。(´;ω;`)

 この一件で、なんだか疲れてしまいました。入広瀬の駅に休憩しに行きます。ここはいつもよく手入れされた立葵が咲き誇っています。「元気を出そうよ。」 そう言ってくれているような気がしたので、ここで久しぶりに撮影することにしました。4時過ぎ、駅のホームには子どもがいっぱい。じじとばばのおうちに遊びにきた子どもかな? 只見線には、こういう元気な子どもがいっぱい乗っているのが似合うと思う。キハもなんだか嬉しそう。子供たちを乗せた小出行きの列車を立葵とともに見送りながら、そっとシャッターを切りました。

 さて、今日はこのあとどうしようか? ネタがないな・・・。というか、花菖蒲を撮りに行ってもいいんだけど、蚋がなぁ・・・。ちょっと迷いつつも、気が付けば再びあの場所に。三脚を素早く立てて、フレーミングを済ませてから、素早く車に戻るという作戦で挑むことにしました。

 が、蚋はものすごい勢いで襲って来ました。ベシベシ叩きながら準備をしましたが、2,3分の間にまた何箇所もブジブシと。か、痒い・・・。ムヒをぬりぬりしながら、車で待機。結果はまあまあ。絞りも適正なところで切れたと思います。

 しかし、今日はまだ不完全燃焼。まだだ、まだ終わらんよ・・・。大白川に向かって追いかけます。夕方の斜光線が大白川の手前のS字の線路を光らせるような気がする。さっき撮影したとき、ここは峠に向かう列車という雰囲気を出すのによさそうな気がしていたのです。

 列車を追い抜き、大白川手前の目をつけていた場所で手早く準備。お、タイフォンの音が聞こえる。もう来たか。S字は思ったほど光っていなかったけど、夕暮れ時の雰囲気は悪くない。S字に差し掛かったところでシャッターを切る。まあまあかな。

 まだ明るい。もう一本行こうか。トリは、どこでやろうか? なんとなく良い感じの夕日になりそうな気がするので、入広瀬の田んぼに行ってみることにしました。しばらくお空を観察しながらフレーミングを考えていると、チクッ! え?

 見ると、また血が流れています。こ、こんなところにも蚋が! いままで何年も撮影しているけど、ここで蚋に刺されたのは初めてです。次から次へと襲ってきます。た、助けて~!!

 撮影に行かれる皆さん、今年はどうやら今まで蚋がいなかったところにまで、大発生しているようです。くれぐれも、しっかりと蚋対策を。虫よけぐらいではこいつには全く効果がありません。しっかりとネットで調べて蚋対策をすることをおすすめします。やっぱりこれって地球温暖化の影響ですかねぇ・・・。

 しばらく車の中で待機していたのですが、そのうち雲の様子が怪しくなってきました。迷わず、場所を変更することにします。とりあえず、上条のちょっと先の踏切まで移動して、車から降りて空を眺めてみます。やっぱりあまりおもしろくありません。が、ここにはどうやら蚋はいないようです。同じような環境なのに、どうしてこんなに違うんですかね?つまらない空とは思いつつ、とりあえず広角で撮影。本当にただ撮っただけだな。

 今日の撮影はこれでおしまいにしました。今日はとても暑かったので、汗でベタベタ気持ち悪い。入広瀬の温泉に入って帰ることにします。ここの日帰り温泉は、夜9時まで営業しているので、助かります。ちょっと塩素の匂いがきついのが残念なんですけどね。もうすこしどうにかなるといいんだけどな。まあ、とりあえず汗を流してゆっくりくつろげるのは嬉しいよね。

 そのあとは小出インターそばのラーメン屋さんでいつものを食べる。さて、このあとどうしようか? 会津に向かうのもありだけど、252号、352号がどちらも通行止めの状態で、会津に抜けるのはものすごく大変。地図で確認するも、改めて相当厳しいことを認識。

 とりあえず高速で東京方面に向かう。沼田から日光を回って会津に行くのもありなので、途中でどうするか考えることにしたのだ。が、突然強烈な睡魔が襲ってきて、たまらず大和SAに避難。そのまま爆睡。(‘A`)

 目が覚めたのは1時過ぎ。とりあえず沼田を目指すも、沼田で既に2時を過ぎていたし、体力的にもこの時間から会津を目指すのは賢い選択肢ではなさそうだ。行き先を赤城に変更し、あけぼのを撮って帰ることにした。

 3時前に赤城に到着。まだ真っ暗で、撮影場所にいきなり向かうのもはばかられたので、しばらく17号を走り、休憩エリアでもう少し睡眠をとることにした。が、気がつくと時間は4時15分!! しまった!!

 もう知ってる場所に向かうしか無い。となると、行き先は自ずと津久田のオーバークロスになる。4時30分到着。間に合った~。

 撮影準備をしていて気がついたのだが、もうこの辺はかなり光が厳しい。あけぼのはいつもの時間にやってきた。く、暗い・・・。半月でこんなに暗くなっているとは。この時間だとiso1600に増感してもf2.8が限度だった。

 このまま引き上げるのも癪なので、かぼちゃ電車を撮って帰ることにした。しかし、時間になってもかぼちゃの姿は見えない。おかしいな? 時刻が変わったか?

 そのとき、遠くから鉄橋を軽快な音で渡る列車の音がしてきた。ようやく来たかな?

 しかし、次の瞬間、ファインダーの中に飛び込んできたのは、EF81の赤い姿。な、なんだ~!!

 帰ってからネットで調べたところ、秋田からの臨時があったらしい。編成はあけぼのの予備車だったらしい。この撮影は美味しかったとは思うが、かなり明るい時間帯の列車だったので、知っていたら棚下とか、もっといい場所で撮りたかったな。まあ、こういうこともあるよね。今度こういうのがあったら、もっといい場所で撮れるように、上越線の引き出しも増やしておくようにしよう。

 そのあとは、予定通り1本かぼちゃを撮影して帰宅し、夕方まで爆睡。とことこさんは結局夕方まで帰って来なかったので、これだったらもう少し撮影してくればよかったか、とも思うのだけど、まあ、楽しかったからよしとしよう。次はいつ出かけられるかなぁ・・・。

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