造形補修材。

 先日只見線の撮影のとき、一瞬気を抜いた瞬間に足を滑らせて、レンズのフードを粉砕してしまったことを書いた。

 痛恨の極みではあるが、フードが犠牲になってくれたおかげか、レンズ自体は特に問題はなかったようだ。

 しかし、フードは有害な光線の影響を低減し、良好な撮影結果を得るために必要不可欠なもの。今回のようにレンズ本体を保護してくれたり、雨や雪がレンズ表面に付着するのを防ぐ効果も大きい。粉砕してしまったフードはどうにもならないので、また購入すればいいや、と安易に考えていたのだ。

 ところが、帰宅してからネットで調べたところ、AF-S NIKKOR 80-200mm 1:2.8Dの専用フードであるHB-17は、レンズ本体のディスコンから5年も経っていないにも関わらず、既に新品では購入出来ないことが判明した。Gレンズ用のHB-29は経が同じレンズのため、特に加工も必要なく取り付けられるのだが、実際に取り付けてみると、一応フードはロック位置で止まるのだが、フィーリングはスカスカ、しかもレンズが70-200になった影響で、フード自体がかなり短くなっている上に、何だが作りがチャッチイのだ。

 とりあえず、ヤフオクでHB-17が2個出品されているのを見つけたので、これをゲットしてみることにした。一つはいわゆる白レンズ用、もうひとつは黒レンズ用のものだ。届いたものを装着してみると、白フードはやっぱりなんとなくうちのレンズには似合わないが、取り付けは問題なくできた。もう一つの黒フードだが、なんと取り付け用の爪が完全に欠損しており、そもそも取り付けられない。こういうところがノークレムノーリターンのヤフオクだよな。_| ̄|○

 そこで以前プラスチック製品の修理の切り札として購入した、造形補修材を使ってみることにした。メーカーのサイトの実例を見ると、細かいパーツでもなんとかなりそうな感じだ。

CIMG0652.JPG

 正常なパーツから粘土のような型取君なるものを使って型を取るのだが、型を作って器みたいにして上から補修材を流し込む方法と、型を作ってパーツを取り付けたい場所に型ごと押し付ける方法がある。最初上から流しこむ方法を試してみたのだが、この方法だと細かいパーツの補修には向いていないようだ。必要ないところにまで駅が流れこんで固まり、削り直してまたやり直すはめになった。型ごと押し付ける方法の前提で型を作成してみたところ、良い感じでパーツの型が出来上がったので、補修材を流しこんで素早く押し当てて、2分ぐらい指で強く抑えてみた。(これがどうやらポイントのようだ。しっかり押さえていないと、補修材が流れだして隙間に広がってしまう。)細かいパーツなので、10分ぐらいその後放置して、そーっと型を外すと、とても良い感じで爪が出来上がっている。

CIMG0650.JPG

左右の爪が今回造形補修材で作成した爪。思った以上にきれいに仕上がった。写真だとわからないですが、このパーツ、とても薄いんですよね。(拡大して見られるようにしてみました。)

 とても小さいパーツなので、強度に不安があったが、これが普通のボンドなんかとは比較にならないぐらい強くて、一回固定するとヤスリを使わないと除去できないぐらい強い。実際レンズに取り付けて何度も着脱してみたが、今のところ全く問題ないようだ。

CIMG0654.JPG

きちんと固定位置で固定されています。(花形フードは固定位置がとても重要) 完全に爪がなくなっていたので、こんなにうまく付くようになるとは思ってもみなかったです。

 結論から言うと、造形補修材は相当スペックが高く、しかも初めて使う人でもちょっと練習すればとても簡単にプラスチック製品が補修出来る製品である。今まで瞬間接着剤などではとても補修出来なかった細かいパーツから、相当の強度を求められるバイクのカウルなど、あらゆるプラスチック系のパーツを補修できそうだ。いままで捨ててしまったようなものまで補修できる可能性があるので、とても工作意欲を掻き立てられる商品だと思う。私と同じレンズを使っていて、オリジナルのフードが爪の摩耗で使えなくなっている方は、一度騙されたと思って使って見ることをおすすめしたい。きっと手間と価格をはるかに上回る結果が得られると思う。

コメント

タイトルとURLをコピーしました