お正月。

 今日は元旦です。  今朝はすごくよいお天気だったので、各地で初日の出が見られたと思うのだけど、うちはとりたてて何をするというわけでもなく、8時過ぎまでゆっくりしていました。うちの近所にも地元の神社があるのですが、元旦は思いのほか混んでいて、神社の外まで行列ができているほど。このあたりはこのところ急激に人口が増えているんだと実感します。とはいっても、特に何もせず一日が過ぎてしまうのはちょっともったいない。というわけで、今日は近くの映画館に久しぶりに映画を見に行ってきました。3丁目の夕日という映画の続編です。なかなかよかったですよ。昭和30年代の情景がこれでもかと言うほど再現されていて、ものすごいこだわり。こういう失われつつある文化遺産を現存するものから順に写真で残していく、これはきっと写真家の使命であり、義務である。とまではいわないけど、なるべく残していきたいですね。写真のなかだけではなく、実際にも、心のなかにも。 悲しい現実なのですが、昨今の日本は効率化が絶対の善であるかのような世の中となっています。これは戦後マスコミが作り出してきた押し付けテレビの力によるものと思っているのですが、最近のテレビはワイドショーのみならず、天気予報でさえもすごく押し付けがましい。天気予報で「今日は雨が降っていてうっとおしい」と一方的な価値観を押し付ける。「寒いので厚着をしてお出かけください」と押し付ける。余計なお世話だと思う。あたかも自分の価値観が絶対であるかのごとく振舞う。一方で、自分に不都合なことは一切流さない。世の中は無限の価値観で構成されているものなのに、世の中の価値は善か悪かの価値しかないような放送をしている。恐ろしいのは世の中の多くの人はその押し付けの価値観をそのまま受け入れて、疑問さえも持たなくなっているということだ。思考することさえもできないほどに。効率化が善、それに少しでも反するものは悪として、切り捨てて世の中のゆとりの部分をすべて切り捨てていく。上手く回っているうちはいいだろう。だけど、どこかの歯車がちょっと狂っただけでパニックになる。ゆとり、遊びの部分はやっぱり必要だと思うのです。バイクだってチェーンやブレーキの遊びがなかったらとても走れたもんじゃない。こういうゆとりの部分が上手く緩衝材になって、全体の機能が上手く回るのです。寝台急行銀河が3月で廃止になるという。需要が少なくなったというけど、夜行バスにはない快適性が間違いなくある。朝は新幹線よりも飛行機よりも早く到着して、夜の寝ている時間で移動できると言うメリットは大きいと思うのだが、あたかも乗客が減少するのを待って廃止と持っていきたいとしか思えないほど、なんらの手も打たずに強引に廃止が決定されてしまった。移動は新幹線か飛行機。移動を移動の手段でしかない、それ以外の選択肢を与えないことによって、乗客を集約化して効率化という善を図ろうというのだろう。多様な価値観を受け入れることを悪とする世の中。現代社会はそんな世の中を当たり前のものと受け入れることができない人間を悪者としてはじき出してしまうのだ。そんな世の中にアンチテーゼを提供する、正しい生き方をしているとされている人たちが悪として捨て去ろうとしている先人の残してくれた大切な遺産を写真として残していく、今年はそんなホームページを作ってみたいと思う。どこかで誰かがわかってくれればよい、そんな心境です。