アルフレッド・ウォリス展。

久しぶりに横須賀美術館に行ってきました。

 17日までの展示だったのですが、今回の展示は絵がかなり充実していてよかったです。今回の展示はイギリスの漁師で70歳になってから絵を描き始めたという、アルフレッド・ウォリスという人の展示でした。絵ははっきり言ってそこら辺のダンボールとかに書かれていて、技術的にも遠近感とかまったく無視したような絵なのです。でも、描いた人の生い立ちや生活が感じられる、素朴で当時の港町の様子がすごく良く感じられる、音とか匂いまで感じられそうな絵がいっぱいでした。帆船や蒸気船、灯台、漁船といったものから、町並みの様子まで、細かく記録されていました。なかなか自分の周囲の生活の様子を絵にしようなんて、普通の人は思わないと思うのですが、おそらく彼は自分のそれまでの人生にきっとすごく満足していたのでしょうね。彼の書いた手紙なども展示されていましたが、おそらくまともに学校など出ていないのか、文面はめちゃくちゃです。とてもイギリス人の書いたものとは思えなかったのですが、先入観がないからこそ、技術的には疑問符が付くような絵にもかかわらず、何かストレートに伝わってくるものがあるのだと思いました。描かれている町はセントアイブスというイギリスの岬の突端にある町なのですが、この町、一度見に行ってみたいなあ・・・。