バイオガソリン。

私は2日に一回帰り道に給油をします。

 最近いつも給油するガソリンスタンドがバイオガソリンになりました。バイオガソリンって3パーセントだけ、自然由来のアルコール燃料が入っているそうです。でも、明らかに今までと違う、甘酸っぱいような、アルコールっぽいにおいがします。排気ガスも同様、ガソリンっぽくない独特の匂いがするのです。でも、以前ガイアックスというところがアルコール50パーセント以上混入燃料というのを売り出したとき、各地で車が火を噴く事故が相次いだので、果たしてバイオガソリンは自分のバイクや車に入れても安全なのだろうか? ということで、ちょっと調べてみました。

 厳密に言うと、バイオガソリンに混入されているのはアルコールではなくて、ETBE(エチルターシャリーブチルエーテル)という、アルコールとイソブテンという天然ガスを反応させて作った物質なのだそうです。自然由来のアルコールを燃料に混ぜているので、その分だけは京都議定書定義におけるCO2の排出量にはカウントされないということで、エコということらしい。でも、この物質は果たしてアルコールのようにアルミや樹脂パーツを腐食しないのか、そのあたりはちょっと良くわかりませんでした。一応3パーセントまではアルコールを混ぜてもよいという「揮発油の品質確保等にかかる法律」という法律で認められているから大丈夫、ということらしいが・・・。ETBEに改質してあるから、大丈夫ということなのだろうか? なんでも、ETBEはいわゆるハイオクガソリンに混合されているオクタン価調整の物質と似た特性を持っているらしいので、そのままアルコールを混ぜるよりは燃料としては効率のよいものになっているようです。気になるので、もう少し安全性について調べてみたいと思います。 だって、エーテルだし・・・。ブレーキフルードもエーテルですが、間違って塗装にかかると5分ぐらいでバリバリ塗装がはがれてきてしまうほど、攻撃性が高い物質なのです・・・。

 で、もともとバイオ燃料というものは、自国で余剰穀物が余っているブラジルやアメリカ、フランスといった農業大国での余剰穀物対策に主眼があった発想のようです。日本は国内の食料自給率が30パーセントを切っている、輸入に頼りきっている国なのです。原料を輸入するために、輸送に大量の重油を燃やして大量のCO2を排出してしまうのです。もっとも、日本は原油もほぼ100パーセント輸入している国ですから、エタノールを使うことによって、CO2の排出量を抑えられるのなら、当面はバイオ燃料も選択肢のひとつとしては悪くないでしょう。問題は、政府の方針では現在1.2万キロリットルのバイオガソリンの供給を2010年には84万キロリットルにする方針で、混合率も7パーセントまで上げる予定らしいのですが、果たしてこれだけの需要量を安定して供給することができるのか。すでにエタノールの価格は世界的な高騰を見せており、需要も逼迫しているようです。アメリカでは、とうもろこしの生産により、膨大な量の地下水がすでに枯渇寸前で、年々収穫量が減少しているそうです。

 もっとも、企業が積極的にエコをビジネスにつなげていく、政府がその活動を後押しする、消費者も積極的にそのような商品を使うことができる、このようなサイクルが少しずつ意識として根付きつつあるのは本当によいことだと思います。 重要なのは誰かに一方的な負担がかかるようなやり方では活動の継続性は期待できないということですが、バイオガソリンはメーカーにとっては企業イメージアップ、売り上げ向上、消費者にとっては使うだけでエコ意識を持てて、負担を感じない、政府にとってもCO2削減に直結させることができるということで、一抹の不安はあるものの今のところ3者のいずれにとっても当分のバランスが取れている、そういう商品といえるのではないでしょうか。

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バイオガソリンシールが貼ってあります。